博士論文
- 坂中正義 2011 ベーシック・エンカウンター・グループにおけるC.R.Rogersの中核3条件の検討─関係認知の視点から─ 九州大学博士論文
本研究では、関係認知の視点からベーシック・エンカウンター・グループにおけるC.R.Rogersの中核3条件を検討した。BEG用中核3条件関係認知スケールを作成し、30グループ274名に及ぶ調査を実施した。
統計的分析と事例的分析により、ファシリテーターとメンバーの態度が、セッションを重ねるに従って中核3条件化することを示した。加えて、ファシリテーターからの中核3条件は、メンバーの安全感・安心感のベースとしてBEGの土台づくりを中心に関わっており、メンバーからの中核3条件は、BEGの土台づくりに寄与しつつも、その上での自己理解や他者理解につながる成長促進的なコミュニケーションに関わっていることを示した。
これらの知見をふまえ、BEGにおける建設的人格変化の必要条件を定式化するとともに、中核3条件からみた実践への示唆も論考した。